ボトックス治療

適切な部位と注入量を見極め、審美面や顎関節症、ブラキシズムにも応用します。
麻酔クリームや細い針を使って痛みや不安を軽減し、治療後も継続的に状態を確認しています。

歯ぎしりやくいしばりなど、あごや首、顔の筋肉に力が入りすぎる状態を緩和するために、薬剤を注入する方法を指します。
一般に「ボトックス」と呼ばれる薬は、特定の筋肉の働きを弱める性質があり、その特徴を生かして顎関節症やブラキシズム(歯ぎしり)にも応用されています。
歯科医療では、かみ合わせが原因で生じる慢性的なこわばりや痛みを軽減し、あごや歯への負担を少なくする手段として用いられています。

歯科領域でのボトックスの役割

歯ぎしりやくいしばりへのアプローチ

就寝中に歯を強くこすり合わせる歯ぎしりや、日中のストレスなどでくいしばってしまう癖は、歯やあごへの大きな負担になります。
歯がすり減ったり、顎関節を痛めたりするだけでなく、頭痛や肩こりの要因にもなることがあります。
ボトックスをあご周辺の筋肉に適量注入すると、筋肉の過剰な活動が弱まるため、歯ぎしりやくいしばりの頻度や強さを抑えられる可能性があります。

顎関節症状の軽減

あごを動かす咬筋が過度に緊張していると、顎関節症の症状(あごの痛み、開閉時の音や引っかかりなど)が悪化することがあります。
ボトックスを活用して筋肉をリラックスさせると、あごの関節にかかる負担が減り、動きがスムーズになって痛みが軽くなるケースが見られます。
ただし、関節自体に大きな構造的問題がある場合は、ほかの治療と組み合わせる必要があります。

ボトックス|うつのみや歯科

当院のボトックス治療の特長

適切な部位と注入量の判断

筋肉は人によって発達の度合いや使い方が異なり、どこにどのくらい注射すれば効果が期待できるかは診断が鍵です。
当院では、噛み合わせや筋肉の動きを詳しく調べ、痛みや機能低下を起こしている部位を明確にし、最小限の量で最大の効果を目指します。
不必要なリスクを避けるため、筋肉の働きや日常生活での癖なども考慮しながら計画を立てています。

痛みや不安の軽減

ボトックス注射用の細い針を使用し、局所麻酔や麻酔クリームを適宜活用することで、痛みを抑えた処置を心がけています。
注射が苦手な方でも、なるべくストレスなく受けていただけるよう配慮します。
治療後も違和感や腫れなどが生じないか継続的に確認します。

安全面への配慮

ボトックスは筋肉の働きを弱めるものなので、誤った量や部位に注入すると表情に影響が出たり、かみ合わせが一時的に不安定になるリスクがあります。
当院では、過去の治療歴や全身状態を把握したうえで、局所麻酔や注射の仕方に注意を払っています。
トラブルを未然に防ぐため、患者様とのコミュニケーションを大切にし、事前のカウンセリングや術後の経過観察をしっかり行う方針です。

ボトックスの持続期間と注意点

注射後の効果は数か月程度持続し、時間がたつと徐々に元の状態へ戻ります。
そのため、必要に応じて定期的に注射を続けるかどうかを、患者様の意向や症状の変化を見ながら判断しています。
また、妊娠中や特定の疾患がある方、体質的に合わない方などはボトックスが向かない場合もあるため、事前にしっかりとご相談ください。

日常生活での工夫

ボトックス注射をしたからといって、それだけであごや歯への負担が完全になくなるわけではありません。
日々の生活で歯ぎしりやくいしばりを抑える意識を持ち、ストレスや姿勢などの影響にも目を向けることが大切です。

笑顔と口の健康を支える

ボトックス治療は、決して美容目的だけのものではなく、あごや歯にかかる過度な負担を和らげる選択肢の一つとして存在しています。
歯ぎしりや顎関節症状に悩む方や、顔の輪郭を落ち着かせたい方にとって、痛みを和らげ、かみ合わせの改善につながる効果が期待できると考えています。
当院では、ボトックス注射に関して正確な診断と技術を用い、患者様に不必要なリスクを与えないよう配慮しながら治療を進めます。
ぜひお気軽にご相談ください。